WORKS

家族の健康・安全を守る家 新得町・S邸

S邸外観

小学生の頃から通っていた馴染みの赤坂建設

十勝・池田町の小学校に通う「誠ちゃん」は、通学路沿いにあった工務店「赤坂建設」の事務所が好きでした。

事務所の窓から中を覗いて、誰かが手招きしてくれたらお邪魔して、飴をもらったり、赤坂正社長や職員の人たちと楽しくおしゃべりする少年でした。

誠ちゃんの自宅も、赤坂建設が建てたツーバイフォーの高断熱高気密住宅で、薪ストーブを焚くとすぐに家じゅうが暖かくなる家でした。

それから20年以上の月日が流れ…

ある日、赤坂建設に「家を建てたい」という1本の電話が…。

今回取材させていただいたのは、大人になった「誠ちゃん」と奥さま、そして誕生したばかりのお子さんのための2019年完成の住まいです。室内も拝見させていただきます。

奥さまのお父様がテレビ台や机を制作

吹き抜けのあるリビング。右奥には木製のテレビボードがありますが、

このテレビボード。実は寸法ぴったりで奥さまのお父様が制作されたものです。

こちらのテーブルもお父様の制作。テーブルは足の部分がジョイント式になっていて、下の部分を外すと座卓になります。

高断熱住宅には食品保冷庫(パントリー)が必要

キッチンには勝手口も設けたので庭で焼肉をするときにはキッチンと庭がダイレクトでつながり、大変便利です。左側には食品庫(パントリー)もありました。

高断熱高気密住宅は、玄関や収納、お風呂など家じゅうの全ての部屋が均一な暖かさに保たれます。そのため涼しい場所が冷蔵庫の中だけしかなく、野菜や保存食、飲み物などを保管しやすい場所がありません。

そこで、外気を直接取り入れて温度を下げることができる食品庫(パントリー)をキッチンの近くに設置すると大変便利です。十勝ワインも入っていました。食品庫内に温度センサーがついているので、適度に外気を取り入れて食品保存に適した温度を維持できます。保存食などをストックしやすいので、もし自然災害などが発生した場合も、あわてて買い出しに行く必要がなくなります。

窓のデザイン&性能&利便性

リビングには、横に4連で均等に配置され、デザインも美しい窓がありました。断熱・気密性能の高いLOW-Eトリプルガラスなので、窓際の冷気もほとんど感じません。

格子はガラスの内側に挟まれているため汚れることもありません。窓自体がクルっと回転するので両側の窓ふきも簡単にできます。チャイルドロックができるのでお子さんも安心です。国産なのでアフター対応力も高い製品です。網戸が窓の外側にあるので蚊などの虫が入りにくいのもメリットです。

赤坂建設はアメリカ・カナダの家づくりを学び、十勝にツーバイフォー工法を導入したパイオニアです。住宅の断熱・気密性能に加え、洋風のデザインも得意です。格子の窓も大変似合う家を建てます。

赤坂建設は、3代目社長・赤坂芳雄氏が1975年にアメリカで、耐震・耐火・断熱・気密性能に優れ施工性も良いツーバイフォー(枠組壁工法)住宅に刺激を受け、翌年の1976年に、道東で初めてツーバイフォー工法住宅を建てた十勝・池田町の住宅会社です。

1979年には帯広・音更など十勝の地元工務店11社と一緒に十勝ツーバイフォー協会を設立。初代会長として技能向上などをけん引。現在に至るまで十勝の住宅性能を推進しています。

寝室には天窓があります。星空を見ながら寝て、朝陽で目覚めるとても贅沢な環境です。夏の暑い日は窓を開けると熱気も屋外に逃げていきます。

2階のトイレはニッチのスペースを活用。トイレの扉は、建具屋さんが天井の勾配に合わせて造作しています。

十勝の家は高断熱高気密が大前提

赤坂建設は、積雪寒冷地十勝の厳しい気候風土に対応するため、高断熱高気密住宅の研究、実践を続けてきました。

近年では、木材の幅が、2×4(ツーバイフォー)材より約1.6倍厚い2×6(ツーバイシックス)材を使うことで、外壁の断熱材を従来の89ミリから140ミリ、更に付加断熱で強化することを提案しています。

住宅の性能、デザイン、大きさ、価格など、全てにおいて建て主と話し合って決めていく自由設計の注文住宅なので、S邸でも断熱・気密性能も含め、建て主と相談して決めました。

S邸の断熱・気密性能

外壁
高性能グラスウール16キロ140ミリ
基礎
基礎断熱 押出法ポリスチレンフォームⅢB100ミリ
天井
吹込用ロックウール25キロ350ミリ
トリプルLow-E
換気
第3種熱交換換気システム
気密性能
C値0.4cm2/m2
暖房
エコジョーズ(温水パネルヒーター)

S邸が完成したのは2019年12月。Sさんは「真冬に引越したので、最初の2日間は家全体がまだ冷えていて寒い感じがしましたが、それ以降、一度も家の中で寒さを感じたことはありません。暖房は自動運転で22℃前後に維持されています」と話してくれました。

災害から家族を守る家にしたい

Sさんファミリーが家を建てるにあたって、大きなテーマの一つは、家族の安全を守るための「防災」でした。というのも・・・

新得町平成28年台風10号大雨災害検証報告書より

2016年8月30日に北海道に最接近した台風10号は、前後3日間に300ミリを超える豪雨で、空知川、札内川、芽室川などが氾濫。新得町内でも住宅への浸水、農地の冠水など甚大な被害をもたらしました。

奥さまも「川の水はここまで来ませんでしたが、近所の橋が崩落したり、避難所に向かう道路が崩れました。
2週間近く断水もしました。新得でも最近は2年に1回のペースでなにがしかの自然災害が起きています」と振り返ります。

LPガスの自家発電で、停電時も電気が使える!

そこでS邸で導入したのが「LPガス発電機による自家発電」です。写真は建て主さんに、装置の操作方法を赤坂社長と設備会社の専門家がお伝えしている場面です。

停電が発生すると、住宅の外壁に設置してある「nito切り替え開閉器」で、電力会社からの電源ではなく、発電機による自家発電を使用するようにワンタッチで切り替えを行います。

敷地内に設置したバルクタンク(普段は暖房給湯用のエコジョーズで使用)に入っているLPガスから専用ケーブルを使って、

HONDA LPガス発電機 YAZAKI専用ガス供給ボックス

小型の発電機にガスを送り込み、発電機を稼働させることで、家じゅうのコンセントで電気を使えます。バルクタンクに満充電してあれば、住宅内で約1か月間使えるだけの発電が可能です。

この仕組みは、いえズーム編集部を運営する北海道住宅新聞社も、2018年に赤坂建設の取り組みとして取材させていただいたことがあります。

2018年11月5日号 北海道住宅新聞掲載記事

災害時にLPガスで自家発電

株式会社赤坂建設(十勝・池田町、赤坂正社長)は、停電時に商用電源からLP ガス発電機による自家発電に簡単に切り替えられる開閉器を、10 月に完成した戸建住宅の外壁に取付けた。「災害に備える家」として現場公開したところ、40 組以上の見学者が訪れた。(中略)

自家用発電機は、小型で安定した電力を供給できる機器として発売されているが、排気ガスに一酸化炭素が含まれるために室内で使用できず、本体を屋外に置く必要がある。

そのため、停電時に家庭用電源の代わりとして使うには、電力を取り出すケーブルをドアや窓のすき間から室内に入れることになり、冬は寒気が室内に侵入して使いにくいと考えられていた。

そこで同社は、燃料販売、設備工事などを行うひまわり産業(帯広市)、渡部電気(足寄町)に要請して室内で使う電源を電力会社からの商用電源と、発電機による自家発電のどちらかにワンタッチで切り替えられる開閉器を取り付けてもらった。

十勝・池田町の工務店・赤坂建設の赤坂正社長は「2003年の十勝沖地震や、2018年のブラックアウトでは、私の自宅は自家用発電機を設置していたので大変助かりました。自然災害による停電時でも、自宅の暖房、食品保存、スマホ充電、調理などができると安心だと思います。当社の専売特許というわけではないので、防災対策の一つとして家の新築・リフォームなどのタイミングでのご検討をおすすめします」と話してくれました。

Sさん夫妻に家づくりの経緯を伺いました。

家を建てた動機は?

ご主人「以前は古いアパートに住んでいました。妻がカビやホコリのアレルギーに悩まされていました」

奥さま「壁や靴箱にカビが生えて、床がきしんで、アリやネズミも入ってきました。呼吸などが少し苦しくなったりしていました。冬はリビングと寝室だけを暖房して暮らす感じでした」

ご主人「新得町内には家族向けのアパートが少なくて、賃貸料も6万円近いものが多かったので、新築戸建て住宅のローンを払ってもいい位の額だなと思いました」

奥さま「実家の近くの方に土地を売っていただけることになって、土地勘もあるし、職場も近いのでとても助かりました」

赤坂建設を選んだ理由は?

ご主人「池田町に住んでいた小学生の時、習い事の帰り道にあった赤坂建設の事務所がなぜか気になって覗いてみたんです。たぶん中から『おいで』って言ってもらって…」

赤坂正社長 「誠ちゃんが下校時や塾の帰りに立ち寄って事務所に遊びに来てくれるようになって。うちの事務所でいろんな話をしました。可愛い男の子で・・・。大人になって『赤坂建設で家を建てたい』って電話をくれるとは思いもしませんでしたが、誠ちゃんからの依頼、すごくうれしかった」

ご主人「実家が、私が幼稚園の頃に赤坂建設で建てた家だったことは何となくわかっていました。今回、自分たちが家を建てることになって、信頼できる住宅会社といえば赤坂建設しか思い浮かびませんでした。池田町民はみんな赤坂建設のことを知っていると思います」

S邸の完成予想パース

奥さま「他の住宅会社は一切検討しませんでした。建てるなら赤坂建設、って夫が決めていたし、信頼できる住宅会社に頼みたいと私も思ったので賛成しました」

奥さま「新得と池田町は少し距離があるので、地元の住宅会社という感じではありませんが、ご縁があって建ててくれることになりました。建築中に、近所の方に『赤坂建設って歴史のある凄い工務店だよ』とか『屋根が素敵だね』と声をかけられたりして嬉しかったですね」

家づくりの流れは?

ご主人 「まず電話で赤坂社長に相談して、その後夫婦で事務所にお邪魔しました」

奥さま「赤坂建設の完成現場見学会にも見に行きました。木の感じの家が素敵だなと思いました」

ご主人「妻が妊娠中だったので、休日とか、平日の夜に最初は赤坂社長が来てくれて建物の基本的な部分を相談して決めてもらって、その後は担当の高山辰也さんと丁寧な詰めをしていった感じです」

奥さま「赤坂建設のアンケート用紙に要望やイメージを書き、それを元に打ち合わせやプラン提案が進んでいく感じでした。結構細かなことも書いたと思います。そして提案いただいたプランがとてもよかったので大きくは変更することもなく決まりました」

重視した点は?

奥さま「例えばカビやホコリのアレルギーが心配という話をしたら、ホルムアルデヒドを吸収分解する石膏ボード『ハイクリンボード』が標準採用とのことでした。この家に引越した後はカビやホコリに悩まされることはなくなりました」

奥さま「和室も一つはほしいと思っていました。リビングに接した客間や子どもの遊び場も兼ねた空間になりました」

奥さま「吹き抜けがあるので、2階にいても1階にいる家族とのつながりを感じます。吹き抜けは寒いという噂も聞いていたのですが、赤坂さんに『性能の高い家なら寒くないし、空間が広く感じるし明るくなる』と教えていただいたので採用しました。良かったです」

アーチ状の通路や、優しい印象の内外装など可愛らしいデザインも取り入れていますね

奥さま「リビングとユーティリティの間には当初扉を付けるつもりだったんですが、子どもが小さいからケガしないかなと高山さんに相談したら、こんな可愛い通路を提案してくれました。

奥さま「妊娠中だったので、高山さんが新得まで打ち合わせに来てくれたのはありがたかったです。電話やラインでやりとりしたり、工事現場を実際に見て確認させてもらったり。住設機器のショールームに一緒に行ってアドバイスしてもらったり、住宅ローンアドバイザーでもあるので何でも相談できる方です。私の母も家づくりの検討に加わってもらったので母が心配していることも丁寧に答えてくれたので安心でした」

住み心地はどうですか?

ご主人「室温が一定なのがありがたいです。子どもをお風呂に入れるときも、最初からお風呂の中が暖かいのが良かったですね」

奥さま「キッチンとお風呂は合わせて100万円で収まりました。お得なプランが使えたんです」

赤坂正社長 「実は、タカラさんと赤坂建設は同じ創業大正元年。100周年記念の共同企画で、キッチンとお風呂を100万円で選べるお得な特別プランがありまして。創業108年目になりましたが今でも使えるんです」

ガスで自家発電!災害対応も工夫しましたね

ご主人「台風10号の時は停電、断水もあってお風呂に入れない経験もしました。災害は起きないに越したことはありませんけど、何か起きた時のための備えは必要だと思ったんです」

赤坂正社長 「災害で停電が起きたら冬場の暖房、食品保存のための冷蔵庫、調理やスマホの充電など、電気が使えるかどうかは家族を守るための備えとして最も重要です。この自家発電による給電方式は安価に導入できるのでお勧めしました」