室内空気環境&防災を重視した農家住宅/池田町Mさん
帯広市から車で東に約30分。十勝川を越えるとなだらかな農地とぶどう畑が広がります。今回ご紹介するのは、池田町で就農したMさん一家の自宅です。
札幌市出身のご主人と地元農家出身の奥様が十勝での暮らしを始めたのは3年前。奥様のご両親の紹介で赤坂建設と出会い、賃貸物件探しを相談するうちに「赤坂さんと一緒に新築を建てたい」と気持ちが変わっていったそうです。育ち盛りのお子さんを含め、家族全員がのびのびと暮らせる暖かい農家住宅を希望して家づくりを始めました。
引っ越し初日から「空気の違い」を実感
外観はシンプルにまとめました。キッチンから出られるウッドデッキは赤坂社長の提案です。「話しているうちに僕らの好みを分かってくれたんだなと思いました。一服してくつろげる場所です」(ご主人)
この日は、同席できない奥様の代わりに奥様のお母様にお話を伺うことができました。お母様が特に驚いたというのが「空気の質」です。
「新築の家って、どうしてもにおいがきつかったりするじゃないですか。でもこの家は引っ越したその日から空気がきれいだと感じました」
それもそのはず。このお住まいでは、下地の石膏ボードにホルムアルデヒドなどの有害物質を吸収・分解する効果のある「タイガーハイクリンボード」を採用しています。
「たとえ建材に気を遣っても、新しい家具などを運び込むと多少はにおいが気になるもの。ハイクリンボードを使うことで、お子さんにも安心で、どこにいても気持ちよく過ごせる家になっていると思います」(赤坂社長)
ダイニングには窓際にカウンターを設置。子どもたちが学習に使う予定です。
システムキッチンはタカラ製。奥様が選んだ食器棚は、淡いグレージュの色味とマットな仕上がりが上品な雰囲気です。
すっきりしたキッチンは大きなパントリーのおかげ。ストック品だけでなく、冷蔵庫、炊飯器やごみ箱なども収納しています。右奥の外気を利用した保冷室は、野菜を入れたり料理を鍋ごと入れたりと冷蔵庫代わりに活躍しているそうです。
停電時も自宅で過ごせる家づくり
玄関はふたつ作りました。正面玄関(写真左)には、扉を閉めたまま風が通せる通風ドア(YKK AP「ヴェナート」)を採用。作業着で気兼ねなく入れる裏玄関(写真右)にはご主人の靴や上着、農作業に役立てているというドローンなどが並んでいます。片隅のPCスペースは、農作業の合間にさっと作業ができて便利なのだとか。
二階ホールには屋根の上に出られる窓を設置。いずれは山や夕日を望めるルーフバルコニーにする計画です。反対側には絵本コーナーも。
LDKはオープンな間取りにした一方で、「気持ちのオンオフができるように」と二階には家族のそれぞれに個室を設けました。「入った瞬間にリラックスモードに切り替わるよう、自室は落ち着いた色合いにしています」(ご主人)
奥様が特に惹かれたというのが防災対策です。寒さの厳しい十勝では、暖房の停止につながる冬場の停電は死活問題。M邸では階段下(写真左)に備蓄をまとめて保管したほか、非常時には自家発電に切り替えが可能なよう、外壁に開閉器を取り付けました(写真右)。発電機をつなぐことで暖房から照明、テレビなど、停電時も普段とほぼ同じ電化製品が使えるようになっています。
「災害時も住み慣れた自宅で安心して過ごせるように」と防災に力を入れる赤坂社長。今年度は防災士の資格を取得。「北海道地域防災マスター」にも認定されました。操作方法もしっかり実演し、いざという時に備えています。
どこにいても快適な家、光熱費にも驚き
家づくりについてお話を伺いました。
会社選びは迷いませんでしたか?
迷わなかったですね。池田町に長く住んでいる人たちが皆「赤坂さんなら大丈夫」と言うし、賃貸物件探しも本当に親身に相談に乗ってくれたんです。人柄と同時に決め手になったのが防災対策。そこを考えてくれる会社はなかなかないですよね。3.11を東京で経験し、備えはしておきたいと思っていました。
気密測定ではC値0.3 cm²/m²と高い数字。室内の温度環境はいかがですか?
冬場でも日中は半袖半ズボンで過ごせるほど暖かいですね。暖房は玄関だけ床暖房、あとはパネルヒーターを最小でつけています。光熱費は、2LDKだった前の家と同じか、かえって安いくらい。この家の広さや家中の快適さ、電気代の値上がりを考えると驚きですね。性能の良さを肌で感じています。
家づくりの感想を聞かせてください。
間取りや快適性、どこをとっても大満足です。妻や子どもたちはもちろん、妻の両親も「赤坂さんの家は丁寧に造られている感じがする。同じ町にこういう建設会社があるのがとてもありがたい」と喜んでくれています。子どもたちも見守りやすく、コミュニケーションをとりやすい造りで、この家で子育てしていけるのがとても嬉しいです。
駐日カナダ大使のイアン・マッケイ氏が2022年10月20日に建築中のМ邸で断熱気密性能やフレーミングのチェックなどを視察した際の様子が住宅専門紙に掲載されました。
2022年12月24日、25日に開催した完成現場見学会では、防災士で整理収納アドバイザーの徳本里栄さんが、家庭でできる災害備蓄や収納場所についてのアドバイスを見学者に送る様子が住宅専門紙に掲載されました。
M邸の建築概要
1階床面積 | 95平方メートル(28.68坪) |
2階床面積 | 56.31平方メートル(17坪) |
延床面積 | 151.31平方メートル(45.67坪) |
構造・工法 | 木造枠組み壁工法(2×6) |
断熱(壁) | 高性能GW 140ミリ |
断熱(天井) | ブローイング 350ミリ |
断熱(床) | ブローイング 235ミリ |
断熱(窓) | 樹脂サッシLOW-Eペア |
換気 | 第3種換気システム |
暖房 | 床暖房、パネルヒーター |