2016年9月、十勝での台風被害
十勝で発生した大きな災害
近年、十勝管内でも、さまざまな自然災害が猛威を振るっています。主な災害をさかのぼると
- 1952年3月 十勝沖地震
- マグニチュード8.2 津波も発生 住家は全壊1724戸、流失86戸、焼失9戸、半壊29,631戸、浸水193戸にのぼった。
- 1981年8月 寒冷前線と台風12号による記録的豪雨
- 北海道各地で災害が相次ぎ、土砂災害により通行止めとなった国道・道道は180路線を超えた。
- 2000年4月 深い気圧の谷による大雨
- 大樹町中心部の国道7ヶ所が冠水した他、十勝管内各地の国道・道道で冠水や土砂崩れの被害が発生した。
- 2002年7月 台風6号による大雨
- 総雨量が100mmを越えた幕別町や本別町で、土砂崩れや道路の路肩の崩落などにより通行止めとなる区間が発生した。
- 2003年8月 前線と台風10号の影響で大雨
- 管内各地で土砂の流出による被害が発生し、国道,道道の通行止めが相次いだ。
- 2003年8月 北海道十勝沖地震
- 地震(マグニチュード8)と津波で、住家全壊116棟、半壊368棟、一部破損1580棟、床下浸水1棟の被害。十勝川などでは津波が川を逆流・遡上。
- 2016年8月 台風10号
- 前後3日間に300ミリを超える豪雨が発生。札内川、芽室川、ペケレベツ川、十勝川などが氾濫。清水町、新得町、帯広市、幕別町、芽室町などで農地、道路、住宅地などに甚大な被害が発生。
- 2018年9月 北海道胆振東部地震
- 最大震度7 日本で初めてとなる北海道エリア全域に及ぶ大規模停電(ブラックアウト)が発生 約2日間続いた。
などの災害を経験しています。
ここ数年は水害の被害に何度も直面した十勝ですが、もちろん地震のリスクも少なくありません。
十勝毎日新聞では、https://kachimai.jp/article/index.php?no=202139142047 の記事で
「今の北海道は3・11前の東北に似ている」-。東京大学地震研究所の佐藤比呂志教授は、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の研究成果から、十勝沖を含む千島海溝沿い超巨大地震の切迫性に警鐘を鳴らす。道内の内陸地震発生の可能性も指摘する佐藤教授は、「必ず来る」大地震に向けて、「とにかく観測を強化すること。そして災害があることを前提に、どういう社会をつくっていくのかのビジョンが必要だ」と呼びかけている。
と報じています。
また、名古屋大学減災連携研究センター、福和伸夫教授も
https://news.yahoo.co.jp/byline/fukuwanobuo/20171226-00079758 の記事で
地震調査研究推進本部から、「千島海溝沿いの地震活動の長期評価(第三版)」が公表されました。(中略)
これに基づいて、今後30年以内の地震発生確率が評価されました。すなわち、十勝沖の地震は60%程度(M8.1前後)、根室沖の地震は20~30%程度(M7.7程度、十勝沖の地震と根室沖の地震が連動する場合はM8.3程度)、色丹島沖の地震は20~30%程度(M7.8前後)、択捉島沖の地震は40%程度(M8.1前後)です。
2003年十勝沖地震は、M8.0で、地震発生確率が最も高い領域で発生したこともあり、地震の長期評価の有用性が確認されることになりました。(中略)いつ地震が起きてもおかしくないと思って、万全の体制をしておく必要があります。プレート境界に位置する日本に住む我々は、地震との付き合い方を再考する必要がありそうです。
述べております。
十勝の災害リスクとは?
世界で起こったマグニチュード6以上の地震の20.5%は日本で発生しています。世界の活火山の7%が日本にあります。世界の災害被害額の11.9%が日本で生じています。つまり日本は自然災害大国であり、上記のような十勝での災害は、日本全体で言えば、必ずしも多い数字とは言えません。そのため十勝管内の自治体の中には、自然災害の少ない町をアピールする自治体も多いのです。
ただし、十勝の冬はマイナス30℃を下回る冬があります。もし地震などが冬に発生し、停電などが発生したら自宅、そして避難所となる体育館での寒さに耐えられるでしょうか。体育館は居住用ではないので断熱性能なども低く、ジェットヒーターなどで暖めるにも、天井が高くなかなか温まらないうえに、暖房による一酸化炭素の濃度上昇によるリスクもあるので、結局、暖かい避難生活は望めません。
しかも十勝平野の面積は3,600km2。大阪府や香川県の約6倍もの広さがあり、道路や橋などがもし災害で寸断されたら、救助活動や救援物資、医療支援、福祉などの助けが届くまでに時間がかかる恐れがあります。
つまり、ひとたび十勝で大規模災害が起きた場合、自分たち家族を守るためには、冬の寒さ、停電、そして救援物資などが届くまでの間、場合によっては自宅で、家族が数日、安全に「在宅避難」できるような備えを作っておくべきではないか、と赤坂建設では考えています。
2×4(2×6仕様)で災害にの強い家
赤坂建設が、1976年(昭和51年)春に、十勝で初めて建設したツーバイフォー工法の住宅は、壁・床・天井が一体化された六面体の箱形状で、水平面と垂直面が釘や金物によって接合され、地震や台風などの外力を面全体で受けてバランスよく力を分散させるため、建物の変形や倒壊を防ぎ、耐火、省エネ性能が高いことでも知られています。現在は2×6仕様に進化し、さらに強く、安全性の高い住まいになっています。また断熱性能の強化や、食品庫による食料の備蓄、LPガス発電機による自家発電などによる災害の備えも加えた提案を行っています。
そこで赤坂建設が家づくりと関連して、どのような災害への備えを行っているかを、新得町のS様の体験談をもとにご説明させていただきます。
新得町 Sさまの場合
Sさまファミリーが家を建てるにあたって、大きなテーマの一つは、家族の安全を守るための「防災」でした。というのも・・・
新得町平成28年台風10号大雨災害検証報告書より
2016年8月30日に北海道に最接近した台風10号は、前後3日間に300ミリを超える豪雨で、空知川、札内川、芽室川などが氾濫。新得町内でも住宅への浸水、農地の冠水など甚大な被害をもたらしました。奥さまも「川の水はここまで来ませんでしたが、近所の橋が崩落したり、避難所に向かう道路が崩れました。2週間近く断水もしました。新得でも最近は2年に1回のペースでなにがしかの自然災害が起きています」と振り返ります。
そこでS邸は、大前提として
S邸の断熱・気密性能
高断熱高気密の家づくりを赤坂建設に要望しました。S邸が完成したのは2019年12月。Sさまは「真冬に引越したので、最初の2日間は家全体がまだ冷えていて寒い感じがしましたが、それ以降、一度も家の中で寒さを感じたことはありません。暖房は自動運転で22℃前後に維持されています」と話してくれました。
さらに、
S邸で導入したのが「LPガス発電機による自家発電」です。写真は建て主さまに、装置の操作方法を社長の赤坂と設備会社の専門家がお伝えしている場面です。
停電が発生すると、住宅の外壁に設置してある「nito切り替え開閉器」で、電力会社からの電源ではなく、発電機による自家発電を使用するようにワンタッチで切り替えを行います。
敷地内に設置したバルクタンク(普段は暖房給湯用のエコジョーズで使用)に入っているLPガスから専用ケーブルを使って、
小型の発電機にガスを送り込み、発電機を稼働させることで、家じゅうのコンセントで電気を使えます。バルクタンクに満充電してあれば、住宅内で約1か月間使えるだけの発電が可能です。
ご主人「台風10号の時は停電、断水もあってお風呂に入れない経験もしました。災害は起きないに越したことはありませんけど、何か起きた時のための備えは必要だと思ったんです」
外気を直接取り入れて温度を下げることができる食品庫(パントリー)をキッチンの近くに設置しました。食品庫内に温度センサーがついているので、適度に外気を取り入れて食品保存に適した温度を維持できます。保存食などをストックしやすいので、もし自然災害などが発生した場合も、あわてて買い出しに行く必要がなくなります。
2018年11月5日号 北海道住宅新聞掲載記事
災害時にLPガスで自家発電
株式会社赤坂建設(十勝・池田町、赤坂正社長)は、停電時に商用電源からLP ガス発電機による自家発電に簡単に切り替えられる開閉器を、10 月に完成した戸建住宅の外壁に取付けた。「災害に備える家」として現場公開したところ、40 組以上の見学者が訪れた。(中略)
自家用発電機は、小型で安定した電力を供給できる機器として発売されているが、排気ガスに一酸化炭素が含まれるために室内で使用できず、本体を屋外に置く必要がある。
そのため、停電時に家庭用電源の代わりとして使うには、電力を取り出すケーブルをドアや窓のすき間から室内に入れることになり、冬は寒気が室内に侵入して使いにくいと考えられていた。
そこで同社は、燃料販売、設備工事などを行うひまわり産業(帯広市)、渡部電気(足寄町)に要請して室内で使う電源を電力会社からの商用電源と、発電機による自家発電のどちらかにワンタッチで切り替えられる開閉器を取り付けてもらった。
なお、発電機を各家庭に設置して、災害による停電時などに家電などを使う方法としては、上記のようなLPガスによる発電だけでなく、ガソリンやディーゼルの発電機を活用することも可能です。むしろ一般的にはLPガスの発電機より、ガソリンによる発電機の方が主流かと思います。また、農家さんの場合、農業用に経由を備蓄されているので、ディーゼル発電機を採用された方が良いかもしれません。お客様の、それぞれの事情にあった発電システムをご提案することも可能です。
写真左 ガソリン発電機2.8キロ I邸
写真左上 ガソリン発電機 5.5キロ200V S邸
写真左下 軽油ディーゼル発電機 3。1キロ K邸
お施主さま(Iさま)がご家族のために自作された発電機操作マニュアル)
なお池田町のI邸では新築ではなく、既存住宅に2.8Vガソリン発電機を設置させていただきました。
「開閉器」は外壁に設置することが多いのですが、十分に開放できる大型車庫があることから内部に設置しました。
赤坂建設では、家づくりにあたって、災害を想定して、高断熱高気密住宅で、耐久性、耐震性の高い2×6の家づくりをおすすめしています。さらに、自然災害による停電時でも、自宅の暖房やスマホ充電、調理ができる自家発電の設備、そして食品保存がしやすい食品庫の設置なども提案しています。いざというときに家族を守ることができる家づくりをぜひ一緒に考えていきませんか? その他災害に備えた家づくりの施工事例はこちらを参照ください。
こちらのページも参照ください。
- 1 | 住宅品質・高断熱高気密
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